代表的疾患と治療法

性機能・男性不妊

代表的疾患と治療法タイトルイメージ

性機能・男性不妊

泌尿器科診療には泌尿器男性学(アンドロロジー)という男性特有の悩みに関する専門分野があります。それに関連した病気は多方面に及びますが性機能障害や男性不妊、昨今話題にもなっている男性更年期障害もそれに含まれます。

近年、医療技術の急速な進歩により長生きができる時代になりました。一方で、ただ長生きするだけではなく、健康で、いかに楽しい生活ができるかが重要な課題となりました。
それらの診療を行うことは男性一人一人の生活の質(Quality of life)の向上に寄与するため、我々泌尿器科にとって非常に重大な使命であると言えます。

勃起障害(ED)

男性性機能には性欲・勃起・性交・射精・オーガズムの5つの要素が存在します。もし、それらの一つでも異常があれば男性性機能障害といえます。

男性性機能障害の一つである勃起障害(ED)は「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」と定められており、その原因は3つに分類されます。

  • ①器質性(血管や神経の障害などの要因)
  • ②心因性(心理的な要因)
  • ③混合性(①+②)

危険因子には加齢・喫煙・肥満・高血圧・糖尿病・脂質異常症・うつ病・睡眠時無呼吸症候群・薬剤性などがあります。
つまり、EDをよくするためには禁煙や生活習慣の改善などこれらの危険因子を取り除く事も非常に大事になります。

現在もED治療の中心はPDE-5阻害薬(バイアグラなど)が一般的です。しかし、最近では陰茎海綿体注射陰圧式勃起補助具といった局所療法や男性ホルモン補充療法、心因性勃起障害の方へのカウンセリングなど様々な治療が行われています。

日本の高齢化社会においてEDで悩む方は急増しております。より健康で楽しい性生活を一緒に目指しましょう。

男性更年期障害

男性更年期障害とはストレスや加齢に伴う男性ホルモン(テストステロン)の低下により、様々な身体的・精神的な不調が現れる状態を指し、加齢男性性線機能低下症(LOH(ロー)症候群)と呼ばれています

精神・心理症状
抑うつ、不安、苛立ち、神経過敏、無気力、精神的疲労感など
身体症状
体調不良、筋力低下、発汗・ほてり、腰痛・関節痛、睡眠障害、肉体的疲労感など
その他
性機能障害、生活習慣病など

男性ホルモンは、主に精巣で産生され20歳ごろにピークとなりますが、その後は年齢を重ねるごとに低下していきます。それはまさに男性らしさを維持するために非常に重要な役割を果たしており、男性にとって必要不可欠なものであります。

治療

男性ホルモン補充療法であり、2-4週間ごと筋肉に注射します。また、年齢や症状にあわせて適宜、投与量や投与間隔の調整を行います。治療期間はおよそ3ヶ月間で評価を行い、効果が確認できればその後も治療を継続します。

男性更年期障害に関してはまだまだ世間的にも認知・理解が不足しており、何らかの不調を抱えながらも適切な治療がされていない方も多くおられます。多少なりとも上記のような症状でお悩みを抱えている方は一度、当院泌尿器科外来を受診してみてはいかがでしょうか。

男性不妊

WHOの報告によると、不妊症の原因は男性のみ24%、女性のみ41%、男女とも24%、原因不明11%とされており、不妊の原因の約半数が男性側にあることがわかっています。
そのため、不妊症と診断された場合は、必ず夫婦で受診し、協力して治療を進めることが重要です。

男性不妊の主な原因

造精機能障害
精子をつくる能力の低下。最も多く、全体の約90%を占めます。原因は年齢、生活習慣、ストレス、嗜好品などが関係していることが多く、原因不明なケースも少なくありません。
精路通過障害
精子の通り道に問題がある
性機能障害
勃起障害など

外科的治療が必要となる代表的な疾患

精索静脈瘤、閉塞性無精子症、非閉塞性無精子症などがあります。当科では、地域の関連病院と連携し、年間を通して顕微鏡下精索静脈瘤手術や精巣内精子採取術を行なっています。

中国・四国地方で数少ない男性生殖医療専門医が診療

現在、日本では人口減少や晩婚化による少子化が深刻な社会問題となっています。そのなかで、不妊治療は今後ますます重要な課題となっていくでしょう。男性も積極的に不妊治療を受ける時代が到来しています。

川崎医科大学附属病院泌尿器科には、中国・四国地方で数少ない男性生殖医療専門医が在籍しており、将来この分野を担う若手医師とともに、日々診療にあたっています。

「男性側に原因があるのでは」「誰に相談していいかわからない」

そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。専門性の高い医療と丁寧な対応で、不安に寄り添いながら、最適な治療をご提案いたします。

Contact

お問い合わせ

川崎医科大学附属病院

診断書ありのご予約
またはお問い合わせはこちら

086-462-1111

診断書なしのご予約はこちら

086-464-1548

予約受付時間

平日
8:30~17:00
土曜
8:30~12:30

川崎医科大学総合医療センター

ご予約・お問い合わせはこちら

086-225-2111

予約受付時間

平日
8:30~11:30、13:30~16:00
土曜
8:30~11:30