特徴的な治療
上部尿路(腎盂尿管がん)における腎温存療法
Ureter Preservation
上部尿路(腎盂尿管がん)における腎温存療法
―腎盂・尿管がんに対する
「腎温存レーザー治療」 ―
腎臓を残してがんを治す、新しい選択肢
従来の治療との違い
腎盂・尿管がん(上部尿路上皮がん)は、これまで「腎臓と尿管をすべて摘出する腎尿管全摘除術」が標準治療とされてきました。しかしこの手術では腎臓が失われるため、術後に腎機能が大きく低下し、透析が必要になる可能性があります。
特に高齢の方や、もともと腎機能が低い方、片腎の方では、腎臓を残すことが非常に重要です。
当科が導入する「腎温存レーザー治療」
川崎医科大学泌尿器科では、腎臓を温存しながらがんの根治を目指す内視鏡的レーザー治療(腎温存治療)を積極的に行っています。
麻酔をかけた状態で尿の出口(外尿道口)から尿管鏡(fURS)を用いて尿管・腎盂内を観察し、最新の医療レーザーで腫瘍を精密に焼灼・切除します。
下記のような特長を持ち、近年注目されている低侵襲で高精度な治療法です。
- ・出血を抑えながら腫瘍を均一に蒸散できる
- ・周囲組織への熱損傷が極めて少ない
- ・再発部位の再治療にも安全に対応可能
当科での実績と特長
当科ではすでにこの治療を導入し、多くの患者様をご紹介いただき、症例を重ねています。
腎機能を守りながら、腫瘍の根治を目指すという新しい治療方針のもと、下記の体制を整えています。
- ・泌尿器がん手術に精通した専門医チームによる施行
- ・再発時も内視鏡下で繰り返し対応可能
期待される効果
- ・腎臓を残し、透析導入を回避
- ・がん根治と生活の質(QOL)の両立
- ・内視鏡による再治療を通じた長期腎機能維持
これにより、患者さんが「がんを治しながら自分の腎臓で生活を続ける」ことを目指します。
適応となる患者さん
腎温存レーザー治療は、次のような方に特に有用です。
- ・腫瘍が小さく、画像上で深い浸潤を認めない方(早期の腎盂・尿管がん)
- ・腎機能が低下しており、腎摘除で透析の可能性がある方
- ・片腎または腎臓を失いたくない方
- ・高齢や併存疾患のため大きな手術が難しい方
腫瘍の位置・大きさ・悪性度などを総合的に評価し、患者様一人ひとりに最適な治療方針を提案します。すべて内視鏡で行うため体への負担が軽く、入院期間も短いことが特徴です。
外来受診、セカンドオピニオンをご希望の方は、川崎医科大学附属病院窓口までお気軽にご相談ください。
日本全国から患者さんに受診いただいております。
川崎医科大学泌尿器科からのメッセージ
私たちは「臓器を守りながら治す」ことを目標に、最先端の内視鏡技術とレーザー機器を駆使した治療を行っています。
腎盂・尿管がんの患者さんが、腎臓を失うことなく安心して治療を受けられるよう、専門医チームが責任を持って診療にあたります。
よくあるご質問(FAQ)
「腎温存レーザー治療」とはどんな治療ですか?
腎盂や尿管にできるがん(上部尿路上皮がん)は、これまで「腎臓と尿管をすべて摘出する手術(腎尿管全摘除術)」が一般的でした。しかしこの手術では腎臓を失ってしまうため、腎機能が低下して透析が必要になることがあります。
私たち川崎医科大学泌尿器科では、腎臓を残したままがんを治すことを目的に、内視鏡を使ったレーザー治療を導入しています。この方法では、腎臓を摘出せずに、尿管や腎盂の中から腫瘍をレーザーで焼いて治療します。
どんな方が対象になりますか?
次のような方に特におすすめできる治療です。
• 腫瘍が小さく、早期の段階で見つかった方
• 腎機能が低下している、または片方の腎臓しかない方
• 高齢や持病のために大きな手術が難しい方
事前の検査でがんの進行度や性質を慎重に確認し、腎臓を残しても安全に治療できるかを専門医が判断します。
手術の流れを教えてください。
1. 内視鏡検査で腫瘍の場所や性状を詳しく確認します。
2. 尿道から細い内視鏡を入れ、レーザーで腫瘍を焼灼します。
3. 6〜8週間後に再内視鏡(2nd look)を行い、取り残しや再発の有無をチェックします。
4. 必要に応じて、再度レーザー治療を行うこともあります。
すべて体を切らずに行う内視鏡手術のため、入院期間も短く、身体への負担が少ない治療です。
この治療のメリットは何ですか?
• 腎臓を残すことで、透析を回避できる可能性が高まります。
• 手術による体への負担が少なく、高齢の方にも優しい治療です。
• 再発しても、再び内視鏡的に治療できることが多く、長期的に腎機能を保つことができます。
すでに多くの患者さんをご紹介いただき、当科でもこの治療により腎機能を守りながらがんの再発を抑える良好な結果を得ています。
治療後の経過観察はどうなりますか?
治療後も定期的に内視鏡やCTなどの検査を行い、再発がないかを丁寧にチェックします。 再発が見つかった場合も、早期であれば再びレーザーで治療できます。 私たちは、患者さんと長く寄り添いながら、腎臓を守る治療を継続していきます。
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